11月 21, 2024
Holiday ESTNATION
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FEATURE
5月 27, 2021
植木の里親プロジェクト×「one small for smile」feat.ESTNATION
ひとつの植物がつなぐ、人、想い、そして未来。
行き場をなくした植木に込めた男たちの想いとは
山下力人(やましたグリーン代表)×前芝良紀(フラワーアーティスト)
『植木の里親プロジェクト』という活動をご存知だろうか。2012年より「やましたグリーン」がスタートさせたこの取り組みが今、静かに、そして着実に浸透しつつある。精魂込めて育ててきた植木を自宅の引っ越しや建て替えにより伐採しなければならない事例は、我々が思っている以上に多い。やましたグリーンは、そんな植木たちを引き取り、植物を日常に招き入れたい新たな"里親"との橋渡し役を担っている。人と想いを繋ぐ彼らの活動に共感したのがフラワーアーティストとして活躍する前芝良紀氏。エストネーション セントラルでは、両者の邂逅により優雅に彩られた植木たちを展示、里親を募集している。今回は、その活動に込められた双方の想いについてうかがった。
植物を求める人がいる一方で、愛情込めて育ててきた植物をやむなく手放さなければならない人もいる。造園や土木を主要事業とするやましたグリーンは、そんな人々を頻繁に目の当たりにしてきた。そんな彼らの想いに応えたい一心で続けられているのが、「植木の里親プロジェクト」である。
植物と関係を絶ち切らざるえない人々のために
「きっかけとなったのは2012年頃ですね。家の建て替えで植木が邪魔になってしまうので伐採してください、と依頼を受けたんです。いざ作業に伺ってみると、お客様の年配の女性がすごく寂しそうな顔をされていました。「どうされたんですか?」と聞きましたら、実は亡くなった主人が大切に育てていた木だったので本当は伐採したくなかったと話すのです。それで、うちにもスペース的にその植木を育てる若干のゆとりはあったので、「持って帰り、育てますね」と譲り受けました」。
まるで一本のショートフィルムのようなエピソードだが、それをきっかけに山下さんは伐採依頼の度に理由を聞いていったという。
「「この木に思い出は何かありますか」と聞いていきましたら、意外とみなさん、伐採はしたくないんだよねとおっしゃるのです。じゃあ、持って帰りますというのを続けていたら、置き場がいっぱいになってしまいまして(笑)。それでまあ、誰か育ててくれる方を探していかないと続けていけないよね、ということで「植木の里親プロジェクト」を始めました」。
おそらく読者の中には、その活動を始めて耳にする人もいるだろう。フラワーアーティストの前芝さんもそのひとりだった。
「申し訳ないですが、今回をきっかけに山下さんの活動を知りました。僕の仕事は、単純に切り花の時点でやはりどこか植物を殺しちゃっている。たしかに最近では、ドライフラワーにして長く飾れるようにしようという動きもあります。でも、それぐらいしかできることはないんですね。山下さんのやられていることは、それよりひとつもふたつもランクが上。単純にすごいなと思います」。
「植木の里親プロジェクト」を続ける意味
ただ、長く活動を続け、新聞などのマスメディアにしばしば取り上げられることで当初よりも認知度は高まったものの、ある問題点に頭を悩ませていたとか。
「当初は、「貰ってやってください」とホームページに書くぐらいですから認知度は当然低かったです。かといって植木はどんどん集まってきますから、どうしようかなとは思っていました。それで、たまたま口コミで広がっていったのが新聞などに出始めて、以降は認知されてきたように思います。でも、掘り起こしてきたものをそのままお渡しするもんですから、これだとお店で買った方がいいや、とおっしゃる方も少なくなかったんです」。
やましたグリーンが抱えてきた植木には、一部が枯れていたりなどお世辞にも第三者の興味をひく要素は少なかった。植物に馴染みのない人であれば、その先にある美しい変化にまで考えが及ぶことなく目に留めないかもしれない。とはいえ、「植木の里親プロジェクト」は意味のないものかというと、そうではないと前芝さんは言葉に力を込める。
「山下さんのやられていることは素晴らしいことですよね。僕は、市場で買ってきて器に植え替えて美しく仕上げて「はい綺麗でしょ」と訪れた方に"魅せる"作業。もちろんそれが仕事ではあるんですけど、その背景には深いストーリーなどはないので、やはりそう言ったドラマがあるのは素敵なことだと思います。だからこそ、どうにかしたい、なんとかしたいと思えたんです」。
植物を単なるインテリアにしないために
そうして仕上げた前芝さんのひと鉢に山下さんは舌を巻き、目の当たりにした時の感動を口にする。
「陳列される前に、一度出来上がった作品を拝見したのですが、スタッフ一同、これはすごいねと驚きました。この状態だったら、皆さん喜んで引き取ってくださるだろうなと。実は、前芝さんたちが帰られた後、僕らも感動してちょっと真似してみたんです(笑)。妻とふたりで鉢を用意して、砂利を入れたりしてね。それを山梨の方で展示したら、その後バタバタバタっと里親が決まっていきました。その意味でも今回のコラボは、うちとしてもとても大きな事でした」。
それを聞き、「嬉しいですね(笑)」とはにかむ前芝さん。これまで、植物をキーに数多の作品を作り上げてきたが、今回はどのようなアプローチで仕上げたのか。
「根っこの深さは植え替える時に関係してくるので、見た目で器を選んだというよりもこの植物がどんどん育っていくためにはどんな器がいいかは意識しました。中には、まだ花が咲いてない、枝だけのものもある。おそらくそれを見て毎日水をあげようという意識は生まれにくいかもしれませんよね。ただ、ちょっとした緑ががあることで毎日霧吹きを吹いてあげようという意識が生まれる。そういうのをイメージして苔をマストで入れてみました。
格好をつけるのではなくて、植木が元気いっぱいに育つためにはどうするか、持って帰ってくれる方々が可愛がってくれるにはどうするか、という見方の方が強かったでですし気は遣いましたね。いつもであれば格好良いものを作るという感覚だけで収まっていたものが、今回はストーリーがあるので、もう一個踏み込まないといけないという意味では、いつもとはアプローチがちょっと違ったかもしれません」。
植物を"生かす"者と"活かす"者が出会ったことで生まれた可能性
その手腕に、改めて山下さんは感服。植物を生かす職人として、植物を活かすプロの仕事に今回の意義を見出したという。
「例えば、この子は依頼主のお父さんが大切にしていたもので、それを引き継いだ娘さんがこれ以上育てるのは難しいということで引き取ってきたもの。ただ、あまりにもお預かりした植木が多過ぎて資材置き場の隅っこに追いやられていたような状況だったんです。それを前芝さんが発見してくれて、ここまでの姿にしてくれた。今回改めて見て、こんなに綺麗に咲いたんだと僕自身もびっくりした部分はありますね」。
そして、今回の活動に関しては機会があれば是非とも続けていきたいと未来を見据える。
「陳列している姿を見させてもらってすごい感動しました。もう、毎月でもやっていただきたいぐらいです(笑)。今、こんな方に引き取られましたという写真を預けてくれたご家族の方に送っているのですが、そうするとお返事の手紙ですごい感動してくれるんです。それが僕はとても嬉しいんですよ。こんな風に綺麗になって育っている姿を写真にして送ったら、またどんなに喜ばれるか。是非、今後もお力を借りられたら嬉しい限りですね」。
その言葉に前芝さんも同調する。
「やはり植木のひとつひとつにストーリーがあって、というのが大事だと思います。市場で買ってきてやるとなると嘘になってしまいますから。今回、山下さんと一緒にやらせていただいてものすごく刺激を受けました。純粋にすごいなと思いますから。自分も何かを作るにあたって、背後に潜む何か見せられるような、伝えられるような仕事をしていきたいとすごく思いましたね」。
植木のひとつひとつには現代アート作家、山田ゆかり氏の素敵なポエムも添えられている。そこに書かれた植物からのメッセージは、あなたの植物へ注ぐ愛情をいっそう高めてくれるにちがいない。是非、目の前に並ぶ美しい植木たちを手に取ってみてほしい。それを手にすることが、やがては美しい日常を、未来を形作る一助となるはずだから。
山下力人
株式会社やましたグリーン 代表取締役
2008年、やましたグリーンを設立。代表としてはもちろん、一級造園施工管理技師として、造園工事一式、樹木の剪定、伐採、抜根から公共事業などにも携わる。2012年より「植木の里親プロジェクト」をスタートし、その試みは数々のメディア媒体に取り上げられ注目を集めている。
前芝良紀
フラワーアーティスト
花の専門学校を卒業後、空間ディスプレイの世界へ。あらゆる現場で経験を積み、独立。2010年には、オーダーメイド専門の花屋、バレンチアパート15を設立する。東京コレクションのランウェイを花で着飾り、数々の企業とも協業。自身もフラワーアーティストとして個展などを開催している。
山田ゆかり
現代アート作家
「Find the sparkling moment in life.」(人生のきらめく瞬間を切りとる)をコンセプトに、作品を制作。生活の中でつい忘れがちな「ときめき」を、抽象絵画や写真と絵画のコラボレーションによる創作や詩で表現。作品を通じて、日常を何気なく過ごせることの幸せや、現代のテクノロジーの超進化で鈍化しがちな身体や心の活性化や喜びを再認識してもらえることを願っている。また、絵画制作の過程では濾過した雨水を使用する等、環境問題や持続可能な社会活動へ積極的に取り組んでいる。国内外で精力的に活動し、特に2019年の上海での大規模個展は高い評価を受けた。
植木の里親プロジェクト×「one small for smile」feat.ESTNATION
現在、【植木の里親プロジェクト×「one small for smile」feat.ESTNATION】の植木を1階にて展示中。エストネーション セントラルにてご購入のお客様が里親になっていただけます。また、植栽キットも進呈いたします。
- 6/15 Tue. エストネーション セントラル
※植物は無くなり次第、終了とさせていただきます。
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11/26 Tue.クリエイティブディレクター南雲浩二朗氏とESTNATIONのスペシャルコラボレーションによる期間限定ストアをエストネーション六本木ヒルズ店にて開催。 キュレーターとして南雲氏をお迎えし、日本の美意識やクラフトマンシップを通じて新たな価値の再発見を提案する「Japanese Aesthetic Sense -日本の美意識-」をテーマにしたスペシャルなコラボレーションが実現しました。<AURALEE>、<Mame Kurogouchi>、<FETICO>などの日本を代表するブランドの素材美と日本のクラフトマンシップを象徴する工芸品を交えて展示いたします。南雲氏が創り上げる”日本の美意識”をエストネーション六本木ヒルズ店で味わっていただけます。是非、この機会に足をお運びください。 クリエイティブディレクター 南雲浩二郎(ナグモ コウジロウ) 80年代よりファッション業界に携わり、90年代初頭より店舗のデコレーターとして諸国新旧、様々なアート、デザインやクラフトに触れ親しみ、ジャンルを越えたフラットな視点でのキュレーションで企画展などを開催。 ※イベントの内容は予告なく変更する場合があります。 11/26 Tue. - 六本木ヒルズ店 オンラインストアはこちらから ONLINE STORE --> ※イベントの内容は予告なく変更する場合があります。 あらかじめご了承ください。 ※詳細はスタッフまでお問い合わせください。 お問い合わせは コールセンター TEL:0120-503-971 (11:00~20:00) メールフォームでのお問い合わせ -->