目に見えない部分を彩る

香り本来のストーリーを 表現する

通常のファッションアイテムと違い、直接肌に触れることで真価を発揮するコスメ。お客様と接する上でより細やかな知識や適切なアドバイスが重要になってきます。そんな売場でフレグランスを中心にコスメアイテムのエキスパートスタッフを務め、元調香師アシスタントという異色の経歴を持つのが遠藤陽子。彼女は調香師の勉強をしていた際の『香りを言語化』するトレーニングがお客様との会話の中で重要な役割を果たしていると話す。「調香師になるためにまず始めることが“香りを記憶に留める”ことなんです。そのために一度嗅いだ香りに対してどのような印象を持ったのかを言葉として覚えていきます。香りは表現力だとも教えられました。香水は肌に触れることでその人自身の匂いや体温と結びつき、その人だけの香りを作り上げてくれるもの。1＋1＝2の世界ではなく、多様な選択肢があるからこそお客様へは目で見ることができない香りが持つ特徴やストーリーをしっかりとした知識と言葉で伝えることが大切です。例えば単純に『強い香り』と言っても想像しづらいですよね。『芯のある香り』と表現することでその香水が持つ本来の魅力は伝わりやすくなる。ただこれをものとして提供するのではなく、お客様へアイテム本来の価値を提供できるよう意識しています」。

エストネーションだから実現する 本当に自分と合うものとの出会い エストネーション だから実現する 本当に自分と合うもの との出会い

一口に香りと言ってもその種類も好みも千差万別。特にジェンダーレスが一般化した現代では男性向け、女性向けと言う概念もなくなり、誰しもが自由に好きなものを選択できるようになった。そんな多様な選択肢にも対応できるアイテムが多く並び、またそれらを的確に薦めることができるスタッフがいることがエストネーションの大きな強みだと遠藤は話す。「エストネーションにいらっしゃるお客様から本当に多くいただくのが、『ここにくれば何か良いものに出会える』という言葉です。通常の百貨店ですと各ブースにメーカーの方が立っていらっしゃるので、基本的に同じブランドのものしか一度に見ることができないのですが、エストネーションではブランドの垣根を超えてさまざまなアイテムをフラットに店頭に並べています。そのようにすることで本当に自分と合ったものに出会うことができるのです。香水ですとお客様へのヒアリングを慎重に行い好みの香りや既に持っている香水、使用したいシーンなどからイメージした香りの中で最終的に最適なものを選んでいくため、選択肢の多さは非常に重要になります。営業職のお客様から『男女ともに好感を持てる香水が欲しい』とお話をいただいたことがあり、その時はネロリベースの柔らかい香りをお薦めしました。また、ブランドレセプションに行かれるお客様がそれに合った香水を探しに来られたときは、お話を聞きブランドに合ったウッディでオリエンタルな香りを提供するなど、実際に必要な香りを具現化できるアイテムがあることと、それを適切に選ぶことができるスタッフの知識や専門性は欠かせないのです」。

お客様とアイテムをつなぐ エキスパートの役割 お客様と アイテムをつなぐ エキスパートの役割

エキスパートスタッフは他のスタッフの手本となる存在。しかし遠藤はただ自らが手本となるだけではなく、その技術や知識を引き継いでいくことが大切だと話す。「エストネーションは多様なアイテムを扱うお店の為、それを的確にお客様にご説明する必要があります。そのためスタッフはお客様とアイテムをつなぐ架け橋として、とても大切なポジションを担っています。お客様の服装や会話から適切な香りを選ぶ為には、香水の知識はもちろんのこと、ファッションへの理解や香りを説明する表現力など多様な能力が求められます。私たちの言葉の選び方ひとつで迷っていたアイテムの魅力が伝わり購入してくださったりしますからね。そうしたさまざまな知識や技術をスタッフに伝えていくことがとても大切なんです。コスメに関することはもちろんのこと、お客様へのパーソナルな対応や手紙の書き方などを細かく教えていけるようにしています。他のスタッフたちが成長していく姿は私の楽しみのひとつでもあります」。アイテムの魅力を伝え、必要とするお客様へ届ける。エストネーションでは本当のショッピングの楽しさを伝える努力が日々行われているのです。