
福田健太郎との対話

グッドオル×HTC
スタッズベルト
&

WONTON × SPEAK EASY
クロコレザーウォレット
SOCIETY REBEL 「育ちのいい不良」はどんな人?
最近、不良だなと思うやつは政治家が多いかも。
不良というか、キャリアがあって過激な姿勢の人ということかな。
忖度してなくてキレキレの発言をしたり。
どこかの県知事やドナルド・トランプとか。
自分の生活に政治はまったく関係ないと思っていたけれど、
政治が変わらないと世の中変わらないよな、
みたいなことを最近、すごく思うようになって。
周りにいるSOCIETY REBEL 「育ちのいい不良」に
共通することは?
気取った感じというか、頑張っている感がない。
いいい意味で抜け感がある。
20年くらい前に大阪から東京に引っ越してきたけれど、
東京出身の友だちはそういう人が多いかもしれない。
SOCIETY REBEL 「育ちのいい不良」を
街でたとえるなら?
’90年代から2000年代頭の
六本木から西麻布、乃木坂あたり。
イエロー(西麻布にあったクラブ)とかおたんラーメンの感じ。
エストネーションの六本木ヒルズ店も、そういうイメージがある。
あと代官山。隣の中目黒のほうが今は元気があるけれど
代官山ってなんかものすごい「育ちのいい不良」の歴史がある感じがする。
そういうのを使ってビジュアルとか作れたら結構面白いかもなみたいな。
街には昔から変わらない空気みたいなものってあるから。

グッドオル/ワンタン
福田健太郎と
エストネーションメンズディレクター
鷲頭直樹の対話
鷲頭:ケンちゃんが原宿のセレクトショップに勤めていた2000年頃からの付き合いですが、当時ほかのどのスタッフとも違った服装をしている記憶があります。アメカジを着ている人が多いなかで、コズミックワンダーとかドメスティックブランドの取り入れが早かったイメージがありますが。
福田:仕事の休憩のときにヘックティック (江川芳文と真柄尚武が1994年にオープンしたショップ)に行ったりしていて。あの当時、ヘックのスタッフがいちばん格好よかった気がするんです。強烈におぼえているのが、アディダスの「キャンパスシュプリーム」っていうモデルが出たタイミングで、リーバイスレッドのサルエルパンツを合わせて、トップスはヘックティックのTシャツを着て店に立っている感じ。
鷲頭:いいものを知っていて、でも抜け感というか、頑張ってない感じっていう。
福田:そう。自分は東京出身じゃないんだけれど、仲良くなる連中は東京出身の人が多くて。で、2007年に自分でグッドオルを始めて、ビジネスモデルに疑問を感じたりして2020年に休止したんですけれど、今、またタイミングかなって思っていたときに今回の企画に誘ってもらって。
鷲頭:休止前に買ったグッドオルとHTCのスタッズベルトを今も愛用していて、意外に若いスタッフたちが反応してくれるんです。
福田:古着の流れがわかりやすくて、今「いいね」って言われている古着が 2000年前後のもの。少し前は90年代。周期というかタームみたいなものがあって、だから次は2010年前後なんですよ。2007年まで来てるなと感じていて、そういうこともあってグッドオルも再開していいかなって。
鷲頭:(ベルト幅が) 細いのがケンちゃんぽいと思って。スタッズベルトだけれどスーツスタイルにも似合う。そこが抜け感なのかなと思うんですよね。
福田:一時期、若い人を理解しようみたいな感じもあったけれど、寄せないほうがいいって感じにどんどんなってきて。自分が経験した時代のことのほうが詳しいじゃないですか。リサーチとかマーケティングじゃなくて、リアルなほうがいいなって。だから、もうあまり気にしない。やりたい感じでやるのがいいかみたいな。
鷲頭:嘘っぽいものは通用しない時代というか。ところで、HTCはアメリカ製ということで、苦労したことがありました(苦笑)。
福田:2000年代初頭はアメリカ製って当たり前にあったじゃないですか。でも、今、現地の物価とか為替とか輸送費の問題でインポートものってすごく大変で。普通だったら取りあつかわない。取りあつかう理由はひとつもない。でも止めない美学ってあるなって。逆張り。それにHTCでしかできない何かがあるんです。匂いというか雰囲気というか。それにしても、納期がね。ごめんなさい。HTCのやつらがいちばん不良かも(笑)。
鷲頭:笑。次に「物や道具を包む」というテーマで2021年にケンちゃんが始めたワンタンの話を。スピークイージーとのコラボで不定期リリースしているULウォレットをクロコレザーで作ってもらいました。今回企画をご一緒させていただいたヨッピー (江川芳文) さんも実物を見て欲しいって言ってくれて。
福田:うれしいな。でもヨッピーさんが欲しいってわかるな。表側はクロコレザーで、裏地はベジタブルタンニングレザーとダイニーマ (鉄の15倍の強度を持つ超軽量素材。超高分子量ポリエチレン)を使う、カオスな感じだから。でも、エストネーションを訪れる人は通常のワンタンだとリーチできない価値観を持っている人たちだし、今回のテーマと合わせて、クロコにしようかなって。
鷲頭:クロコレザーは、やっぱり貴重?
福田:今回は、倉庫に眠ってた出物を発見してもらって安く手に入ったんです。この企画で使い切り。今、一般に流通している同等のクロコだったら値段が全然合わない。これはもともとダイニーマ素材だけで作っていたサブウォレットとしての扱いで。メインの財布を持っている人が、海とか山に必要最低限のものだけを持っていくイメージ。それを今回初めてレザーを使って作ったんですけれど、これはメイン財布になるなって。でも、メインの財布ってなかなか買い替えないですよね?
鷲頭:確かに。
福田:でもね、縁起のいい日に財布を替えるっていうのあるじゃないですか。どっちかっていうとそういうのが嫌いなタイプだったんですけれど。
鷲頭:一粒万倍日と天赦日。今年は4回それが重なる日がある。
福田:そう!確か直近だと3月10日。少し前に買って寝かして、その日を迎えたら下ろすっていう。大人になって世の中がわかってくると、なんかそういう験を担いだりすることも大事なんだなっていう。
鷲頭それ、すごくわかります。
福田:次は7月?でも、夏だからレザーは気分じゃないからな。その次は10月と12月にあるみたい。多分ピッタリですよ。第2弾と第3弾を仕込みませんか?

GOOD OL’ × wonton × SPEAKEASY
WALLET
キャンパーとしても知られる福田さんの実体験と知見で作られたUL(ウルトラライト)ウォレットは、気鋭のラゲッジレーベル、スピークイージーとのコラボレーションによるもの。手のひらに小さく収まる二つ折りの室内に、カードと紙幣が収まるスリットと、スライド式のコインスペースが付くのがアイデア。斑(模様)が美しいマット仕上げのクロコダイルを表側に使い、コインスペースにはダイニーマを使うミスマッチ感が唯一無二のセンスだ。
WALLET:¥66,000BUY
GOOD OL’ × HTC
STADS BELT
スタッズベルトの代名詞HTCとのコラボレーション。コラボのポイントとなる19mm幅は、スーツ、スラックス、カジュアルなデニムやカーゴパンツと、どんなボトムスにも合う絶妙なサイズ感。HTCは、LAのヴィンテージシーンの重要人物のひとりジップ・スティーブンソンが、2000年に設立した、スタッズとレザーワークを得意とするブランド。
BELT:¥110,000