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今を生きる現代女性の美しさを、
彼女たちが心に描く、繊細でしなやか、
そして時に力強い風景と共にご紹介する
COLUMN of COLUMN。
日常のさまざまな角度から、
美の解釈を映しだし、
COLUMNを通してその女性の輝きが
宿る瞬間に触れる時間。

Sensual
久住あゆみ(エッセイスト)
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今やほとんど見かけなくなった日本語に
女性の最高の色気を表す「﨟たけた(ろうたけた)」という言葉があります。

昔の小説や映画に出てくる﨟長けた夫人、
目覚めるような臈たけた美しさ、という表現。

そんな﨟長けた女性の条件とは洗練されていて、
気品があり、成熟していること。

それだけでも充分過ぎるほどの魅力なのですが
﨟たけるに当てはめるにはまだ足りない。
ここに、欠かせないのが、「色気」なのです。

洗練と気品に色気が加わって、
ようやく最上の美しさと言われる﨟たけた女性の完成となります。

(私のイメージではモニカ・ベルッチと高峰秀子さんが近いかな。)

そもそも色気とはなんでしょうか?
あなたはどんな人に色気を感じますか?

湿度と温度?少しの隙?危うさや乱れ...? 私は「ミステリアスさ」を内包する人に色気を感じます。

色気というのは相手を「知りたい」と思い、 多少なりとも美化することで感じるものであると思うから。
「女は秘密を着飾って美しくなる」
気障なセリフですが、一理あると思います。

秘密と言っても、もったいぶった態度を取ったり、わざとミステリアスな演出をする。という
故意的なものには清潔感のある色気は宿らない。

自分の信じる価値観に従って、自分の道を進んでいるひと。自分の時間に没頭している人。

つまり、自分自身を大切にしているひと。
それを誰かに見せようとすることなく。

そんな孤高のひとが掴みどころのない
「ミステリアスなひと」として周囲に映ります。

あの人はいつもどんな過ごし方をしているのだろう?そうやって他人に自然と想像力を掻き立てられる魅力を持つひとがわたしが考える色気のあるひと。

色気の「色」とはそのひと特有の「個性」。
「気」とはそのひとを纏う「空気」。

自分を大切にするということはせっかく持って生まれた個性を薄めないということでもあるのです。

その唯一無二の魅力が年月と共に深まり、
やがて成熟した時、そこから立ち上る空気が見る人に「色気」として映る。

色気を紐解いていくと
それこそが色気の正体であり本質なのでは。と考え至りました。

色気とは本来の自分の声を聞き、大切にすることで、誰もが手に入れることのできるとっても自然なもの。 大人の女性を包み込み、周囲を惹きつけるセンシュアルな美しさとはそんなナチュラルな色気ではないでしょうか。

Jumpsuit / COLUMN ¥66,000 (32-140-11-110003)
伊勢丹新宿店 先行販売商品

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