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ESTNATION ESTNATION

「New Luxury Manner Book」は
品格と知性をもった大人のためのマナーを提案していきます。
時代とともに進化するマナー。
ESTNATIONのエキスパートスタッフとともに
あたらしい時代のマナーを考えていきましょう。

Vol.06

Sushi’s
New Manners

鮨店のニューマナー

大人であれば訪れる機会も増える格式のあるお鮨屋さんでの食事。日本の文化と伝統が息づき、敷居が高く感じられるこの非日常空間も、粋なマナーを知って、より楽しみたいところです。ファッション、会話から所作まで。人気店、つきじ鈴富の大将とともに、鮨店での新しいマナーについて考えていきます。

Wedding New Manners

MANNER

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堀江(以下H):お鮨屋さんに明確なドレスコードはないとは思うのですが、どんな格好のお客さんだと印象が良いですか? 村上(以下M):装いに決まりはないのですが、いらっしゃって気持ちが良いのはタイトな服装の方ですね。我々は1つ1つお皿にもこだわっていますので、必要以上に大きい服ですと、裾や袖がお皿に当たって割れてしまうこともありますから。また、カウンターは檜の1枚板で作っていることが多く、傷がつきやすいので、時計など手首の装飾品は、席に着く際に外してもらったりすると、粋なマナーを知っている方だなとわかります。そういう所作を見ると、「店のために気遣ってくれている」と感じますので、我々職人も気合を入れていこうと思いますね。特にスーツを着ている方は凛と見えます。スーツを脱いだ瞬間でも、ちゃんとしている人ってお洒落なんですよ。最新を取り入れるのももちろん大事だと思います。服装、髪型を意識されている方はすぐわかります。どんな場でも第一印象って大事ですよね。 H:私も装飾が手首の周りにあるものは避けるようにしていました。着るものはお鮨屋さんの凛とした雰囲気に合うシンプルで上質なものが良いかなと思っています。お鮨と同じようにファッションも鮮度を保ちつつ、清潔感があって大人の余裕を感じさせる、控えめだけど品がある、そんなスタイルを提案したいと思います。

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H:帽子や香水なども避けるべきですよね。 M:香水は特にそうですね、我々は繊細な味をどう表現するか、それを店のスペシャリティーと考えて細部までこだわっています。僕はお店はステージだと思っているんです。匂いや内装、雰囲気などすべてが揃ってのお店であり、それを五感で楽しんでほしいと考えています。回転寿司では味わえないカウンターの店の雰囲気を感じ、職人の所作を見ていただく。綺麗なお皿を見て、こだわりの日本酒を飲んでいただく。このお店でしか感じられないものにこだわっているので、香水やジャラジャラしたアクセサリー、帽子、マフラーなどは外していただいた方が気持ちが良いですね。他のお客様もそれを楽しむために来てくださっていると思っていますから。 H:女性のネイルも避けた方が良いのでしょうか? M:避けた方が良いという職人さんもいらっしゃるかもしれませんが、基本的に女性は綺麗でいたいという想いを常に持たれていると思うんです。だから僕はお店の雰囲気にあまりに合わないものでなければネイルも良いんじゃないかなと思います。さっきも言ったようにルールはありませんので、他のお客様を尊重し、皆さんが嫌にならないような服装で来ていただければ良いと思っています。

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H:注文をする際はどのようにしたら良いでしょうか? M:鮨屋のメニューは基本的にコースの「お任せ」と、お好みを注文いただく「アラカルト」の2種類です。もちろんどちらを選んでいただいても大丈夫なのですが、コースを頼んでいる途中に、「好みのものを食べたい」と挟まれるのは避けていただきたいです。油の多い料理の後は、さっぱりしたものでお口をリフレッシュしてもらうなど、コースは起承転結を作って設計していますから。最後の巻き物をお出ししたとき、我々から「何か他にご注文ございますか」とお聞きしますので、「まだ食べていないおすすめを1品もらえますか」などと言っていただくと、と別のおすすめもお出しできます。アラカルトでも、まずは先に「大将のおすすめをください」と注文いただいた後で、自分のお好きなものを注文されるのが良いかな、と思います。 H:お酒を注文するときにはどのようにしたら良いでしょうか? M:基本的に「好きなお酒を飲んでいただきたい」という想いはあるのですが、メニューを構成する中で、ネタによって、どんなお酒が合うかペアリングもあらかじめ考えていますので、お好みをお伝えいただいた上で、おすすめを聞いていただくのが良いかと思います。 H:お酒はすごく好きなので、おすすめを聞くようにはしていました。飲んだことのない銘柄に出会えるのも、楽しみのひとつですよね。

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H:実際に食べる際に、気をつけることはありますか? M:基本的には醤油を塗ってお出ししているので、さらに醤油をつけて食べようとするのは避けて欲しいですね。お店では旬の魚を1番最高の状態で食べていただけるように工夫を凝らしていますので、別の食べ方をされるのはあまり好ましくありません。他にもイカなど、塩で召し上がっていただくこともあるのですが、アレルギーなど苦手なものでなければ、一度騙されたと思って召し上がっていただきたいです。 H:手と箸、どちらでいただくのが良いのでしょうか? M:手でも箸でもどちらでも良いのですが、どちらかといえば手で食べてほしいです。実はお鮨を美味しく感じるシャリの温度って手の温度と近いので、箸だと少し冷めてしまいますから。また、ネタは1番美味しく感じられる状態の大きさに切ってお出ししていますので、口に入れるときは、なるべく1口で召し上がっていただきたい。シャリの大きさは最初にご希望を伺いますので、気になる方はおっしゃっていただければと思います。

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H:カウンター越しの会話を楽しむのも鮨店の醍醐味かと思いますが、どんなことをお話すれば良いのでしょうか? M:どんなお話をして頂いても結構なのですが、きっかけとしてお話ししやすいのはおすすめを聞いていただくことかもしれないですね。我々は今1番美味しいものを選別して提供しているという自負があるので、おすすめを聞いていただけるのは、信頼されている証のようで嬉しいです。例えば今水温が上がったりして、魚の旬の時期が変わっていますが、それは僕ら市場に行った人たちしかわからないですよね。以前と旬が変わっている魚に出会えるというのもカウンターの鮨店の醍醐味だと思います。 H:私もお店では、せっかくの機会なのでおすすめについてお話を伺うことが多いですね。避けた方が良いお話はないのでしょうか? M:我々はやはりここはステージだと思っていますので、緊張されているお客様を和ませるために、「どこからいらしたんですか」から始まり、お客様の趣味やドラマ、好きな服などの話も伺います。お客様が楽しければ良いと思いますし、お鮨以外の話をしたからといって、周りのお客様から変な目で見られることもありません。我々も楽しいですから。自分が好きなお話を遠慮なさらずにしていただき、会話も楽しんでいただきたいです。

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H:一緒に行く方との関係性から生まれる気遣いもありますよね。 M:そうですね。例えば上司と部下でいらっしゃるお客様であれば、上司の方が召し上がれば、部下の方も手をつけやすいですよね。せっかくの高いお鮨なのだから、1番良い状態を、すぐに美味しく召し上がっていただきたい。上司の方がそのマナーを知っていれば、お鮨が乾いてしまうこともありません。接待の場も同様です。そういった気遣いができれば、お互いが気持ちよいですね。 H:「お愛想」や「上がり」など、訪れる私たちが専門用語を使うのはどう感じますか? M:会計のことを「お愛想」とおっしゃる方がいますが、本来の意味は、我々店側が言う「愛想がなくてすみません」の略なんです。お客さまが使うとおかしな意味になってしまうので、避けてください。また、「上がり」とはお茶のことですが、これも実は我々側の言葉で「早く終わらせたい」という意味ですので、お茶が欲しい時には「お茶をください」と言っていただければと思います。 H:粋な会計の仕方はありますか? M:トイレに行く途中に会計を済ませておくと、一緒に帰れるのでスマートですよね。また、我々からすると1番嬉しいのは、お会計の際に次の予約を取ってくださることです。また来たいと思っていただけたのであれば、それは僕らからしたら本当にこの上なく嬉しい。お帰りの際に一言「美味しかったです」と言っていただけるだけで、すごく励みになります。

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H:他にお鮨屋さんでの時間を楽しむ上で知っておいた方が良いことはありますか? M:食事もそうですが、器も楽しんでいただきたいです。春は桜をデザインしたお皿、夏場ならちょっと青っぽい涼しげなお皿など、季節、料理によってお皿も変え、どのお皿がどの料理に合うか、自分の足で探していますし、オーダーメイドで作ることもあります。こういったお皿は薄く壊れやすいため、洗浄機にはかけず、1つ1つ手で洗って大切にしています。器の知識があるお客様ですと、今人気の〇〇焼きですね、など声をかけていただくことで、会話が弾むきっかけにもなります。 H:様々な知識があることによって、お店での時間はより楽しくなりますね。 M:お鮨だけを食べに来るのではなく、さまざまな知識を持っていれば、より一層いろいろな発見ができます。例えば次に違うお店に行かれた時には、「この職人さんは次にこのネタを出すんだ」という楽しみ方もできる。ただ食べて美味しいというだけでなく、器や料理の順番に大将の意図を感じながら、謎解きのように考えながら過ごすだけで、より一層鮨店での時間を楽しんでいただけるんじゃないかな、と思います。
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Information

つきじ鈴富
ホテルニューオータニ店

住所:東京都千代田区紀尾井町4-1 ガーデンコート4F
TEL:03-3239-5599
営業時間:ランチ_11:30~15:00(L.O 14:30) ディナー_17:00~22:00(L.O 21:00)
席数:28席(禁煙)
(カウンター10席/座敷最大18席)
※座敷の貸切についてはご相談ください。

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One-piece ¥110,000 / ESTNATION

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「目立ちすぎず、上品な黒のワンピースは、凛としたお鮨屋さんの雰囲気にも馴染みます。大人の女性にふさわしい張りのある上質な素材に加え、美しいコクーンシルエットもポイントです。ゴールドのボタンが華やかさも加えてくれますよ」(堀江)

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「近年のトレンドとなっているシアー素材のトップスも、大人の女性の上品さと華やかさを表現できるアイテムです。お鮨同様にファッションも鮮度が大切。艶っぽくなりすぎないよう、お鮨屋さんでは透け感はできるだけ抑えたものを選びましょう」(堀江)

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Blouse ¥125,400 / VICTORIA BECKHAM

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「コットンではなく、光沢のあるブラウスを選んで変化をつければ、より華やかな装いになります。トップスが目を惹く分、ボトムスはシンプルなスカートやスラックスなどを合わせて、上品なムードをキープするのが良いかと思います」(堀江)

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Jacket ¥77,000 / ESTNATION

Pants ¥49,500 / ESTNATION

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「お鮨屋さんという特別な大人の空間を訪れるなら、やはりジャケットは外せないですね。イタリアで丁寧に作られた上質な生地に加え、品のあるネイビーのカラーリングが、エストネーションらしい都会的に洗練された大人のムードを醸成してくれます」(堀江)

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Knit ¥88,000 / ESTNATION

WEAR

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「ジャケットを脱ぐこともあるカウンターのお鮨屋さんだからこそ、インナーも大切。かしこまった印象のシャツよりも、少しカジュアルにシンプルなニットを合わせるのはいかがでしょうか。上質なカシミア素材で作られているので、上品にまとめられますよ」(堀江)

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Scalf ¥23,100 / Lescaif

WEAR

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「大人の男性のシンプルな着こなしを華やかさは加えたいなら、スカーフで遊びを入れるのがおすすめです。上で紹介したニットと合わせて、首に巻いてポイントとするのが良さそうですね」(堀江)